ヘナとマニキュアどっちにしようかしら??
「マニキュアかヘナにしようか迷っている・・・」
いろいろ調べたけど結局わからず考えるのが面倒になり、また今度でいいかな。っと思うお客様が結構います。
なので、今回はヘアマニキュアとヘナ染めのメリットとデメリットを簡単に説明していきます
ヘナやマニキュアって何が良い??
ヘナやマニキュアはアルカリカラー(通常の白髪染めカラー)より髪や頭皮に優しい。
一般的にそう言われており、認識としてはおおむね合っています。
マニキュアはヘアカラーよりは傷まないですし、ヘナは全く傷みません。
ですが、先日ユーチューブでセルフヘナでの塗布動画を見た際に衝撃を受けました。
コームでガシガシときまくったりモミモミしまくり(セルフに限らず美容師もしている方が多数)。
いち美容師として、ガシガシ、モミモミは怖くて出来ません。
動画上では、色がしっかり入るからモミモミしているそうです。
そもそもヘナって毎回同じに染まってくれないモノです。
その日の気候やヘナの収穫時期や保存方法などでかわります。(※この話はまた後日)
一番問題なのが、コームでガシガシ・・・。
通常、髪の毛が濡れた場合キューティクルが開きます。
その際にコームでときすぎたり、毛並に沿わずにといてしまうとキューティクルが損傷しボロボロになってしまいます。
ヘナは粘度も高いので摩擦もおきやすいです。
キューティクルが損傷すると、ツヤがでません。
いくらヘナで髪の毛の強度を上げたとしても表面のキューティクルが痛んでいたら意味をなしません。
話が脱線しましたので、戻します。
アルカリカラーとマニキュア、ヘナの痛みの度合いでいうと、
ヘアカラー>ヘアマニキュア>ヘナといった順番です。
では何故ヘアカラーより傷まないかというと、染まり方が違うからです。
髪の毛のキューティクルを開きメラニン色素を壊しつつ色を入れていくヘアカラーに対して、ヘアマニキュアは髪の毛の表面に色を付着・コーティングさせていき、ヘナは毛髪の中に独自の組織を形成しつつ色を付着させます。
ヘアマニキュアについて
まずはヘアマニキュア(酸性染料)について簡単に説明していきます。
まずマニキュア(酸性染料)はアルカリカラーのようにメラニン色素を壊さない(脱色=ブリーチ)ので明るくすることはできないのでヘアカラー程は顕著に痛みは感じないでしょう。
しかしマニキュアも化学染料を使用しています。
昔に比べてそれら化学染料も人体に負担の少ないものへと変わってきてはいますが100%無害とは未だに言い切れません。
その化学染料ですが色々種類も多く全て詳しく説明しだすとキリがないので割愛しますが、マニキュアに使われている代表的なものに『タール色素』というものがあります。
これは実は海外では禁止されている国もあるような染料なので、美容師の人達でも意見が分かれます。
そして、マニキュアとは酸性の染料。髪の毛のダメージは、基本はアルカリ剤によるダメージで髪の毛が強いアルカリ性に傾くとチリチリするのが一般的なのですが、逆に酸性に傾くとどうなるか知ってますか??
鉄のサビも酸化現象です。
髪の毛が硬くなり過ぎてポキポキと折れます。
現役の美容師として体感的なマニキュアの実態・・・
ここからは美容師として経験したことをお話していきます。
まずヘアマニキュアをしている人というのは“独特の手触り”があります。特に硬い感じがします。上記でも挙げた通り酸性によるコーティングです。
でも、見た目の艶々さがヘアマニキュアはとても綺麗なのも特徴です。
このコーティングを例えるならば爪にするネイルと同じようなものです。
塗ればツルツルになりますが、長期間放置したり長年していると爪がボロボロになったりします。
ヘアマニキュアは色のバリエーションも豊富ですしヘアカラー程は傷まないですが、化学染料+酸性染料ゆえの傷みというのはあります。
その他にも皮膚につくと取れにくいので自分でやるには難易度が高いでしょう。
ヘアカラーと比較すると色落ちも早く、髪の表面にコーティングしているだけなので当たり前ですが洗うたびに落ちていきます。
頻度としては3週間~1か月ペースで染める人が多いです。
【色んな色味を楽しみたい、ある程度しっかり染めたい、髪や肌への負担は多少減ればいい】という人には最適だと思います。
ヘナについて
ヘナに関しては、ヘアカラー・ヘアマニキュアに入っているような化学的なものは一切含んでいませんので頭皮や髪にダメージになる事はありません。
ただし植物アレルギーを持つ方も居るので全ての人に良いとは言い切れません。
特にヘナ施術の白髪染めをする場合にお客様に配合する”インディゴ”という植物に対してのアレルギー反応がある方もいます。
ブリーチ作用(脱色作用)が無いので黒い髪を明るくする事はできないので白髪にしか色が入らず黒い髪にはうすーくオレンジ味がかかるかんじになります。ヘナという植物がもつ天然の色素です。インディゴの場合は青色になり時間がたつと紫っぽくなります。
しかし昨今の健康への意識の高まりを見ると『ケミカル(化学薬品)を全く使わない毛染め』はどんどん需要が伸びていくように感じます。
美容師としてヘナの体感を語ると…
ヘアカラーやヘアマニキュアに比べるとヘナの染色能力は圧倒的に低いです。
もはや比べようがないくらいに…
しかし、天然ヘナなどのハーブを使った施術は髪が良くなっていく髪質改善の効果は群を抜いています。
具体的にヘナ染めの染まり方について簡単に説明すると、ヘナの「オレンジ」とインディゴの「ブルー」それらを混ぜた「ブラウン」しか色がありませんし、天然の植物なので白髪が無くなるという事はまず無いです。
白髪をぼかすということになります。
実際に回数を重ねだすと”そのイメージ”とは少し違った結果に驚きます。
《自然のハイライトカラー》と僕はよく例えますが、その人の髪の毛でしか出せないオリジナルなボケ方があり、唯一無二のデザインを創り出せる事が魅力かなと思っています。
そもそも白髪染めの場合パターンが3種類あります。
白髪を活かす、隠す、ボカす。
ヘナ染めはこの活かすとボカす部分に当たります。
染まり方に関して満足できる人と出来ない人で大きく分かれるのが特徴のヘナですが、その髪の毛の補修としての髪質改善効果は続けると確実に皆さん実感されています。
色落ちに関しては、そもそもしっかり染めない分マニキュアよりはもつ印象です。
まとめ
髪への負担・ダメージは、
ヘアカラー>ヘアマニキュア>ヘナの順。
【ヘアマニキュア】
●カラーよりは痛まないが化学染料使用により起こりうるリスクがある。
●色のバリエーション豊富。
●コーティング作用が艶を出すがその弊害もある。
●一回である程度しっかり染まる。
【ヘナ】
●自然のものなので髪へのダメージはゼロだが植物アレルギーの人はできない。
●色の選択肢が少なく染まり具合はボケる程度。
●髪質を向上できる。
●時間がかかる。